アメリカ小売企業の決算に注目

2021年4月16日(金)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

ＳＭＢＣ日興セキュリティーズ・アメリカ　大関千尋さん

アメリカ小売企業の決算に注目
3月小売売上高は前の月から9.8％増加しました。衣料品が18％と大幅に伸びたほか、飲食店が13％増えるなど経済再開の進展を示す内容となりました。前月分が寒波の影響で落ち込んだ反動や政府による現金給付、足元の雇用回復が消費を後押ししたことを踏まえると力強い数字に意外感はありません。
今回の決算ではコロナの状況で積み上がっていた繰越需要と経済再開による来店客数の増加が業績の押し上げに寄与するものとみています。ただ、足もとでは強い需要を背景に一部で原材料費や燃料費の上昇が見られており、こうしたコスト増への対応力で株価の明暗が分かれそうです。家庭用雑貨を販売するベットバスアンドビヨンドは前日の決算発表で輸送費の増加を販売価格に転嫁しなかったことが響き、粗利益率が低下したと明らかにしました。それが嫌気され、ベットバスの株価は　前日比12％を超える大幅安となりました。物価の上昇圧力が高まり、今後もコストの増加が懸念される状況では価格競争にさらされるディスカウト小売よりも高いブランド力を持つナイキやマイケルフォースの親会社カプリホールディングスなどコストの上昇を価格に転嫁しやすい企業に注目しています。