ETFのリバランスに注目
2021年5月28日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
ETFのリバランスに注目
アメリカ市場でも先ほど27日の終了をもって、MSCIのリバランスが実施されています。こういったインデックスの構成銘柄の入れ替えはそれほど珍しいことではないのですが、今回、特に注目されているのはあるETF、上場投資信託のリバランスなんですね。IシェアーズMSCI米国モメンタムファクターETFと呼ばれるもので、その規模はおよそ160億ドル、1兆7500億円に上ります。ウェルスファーゴの試算によると、その構成銘柄の約7割ほどが入れ替わるとされ、投資家の関心が高まっています。
このETFは過去6カ月間で投資家に人気のあった銘柄、つまり値動きに勢いのあるモメンタム銘柄で構成されています。アメリカ市場では過去数カ月にわたり、ハイテクなどのグロース銘柄から金融などバリュー銘柄への投資資金のシフトが見られたことから、構成銘柄も今回、大幅に入れ替えられることになります。例えば、これまでこのETFの構成銘柄のおよそ40%を占めていた情報技術セクターの割合は今回のリバランスによりおよそ17%まで減る一方、金融セクターはこれまでの僅か1.6%から33.4%まで引き上げられる見通しです。今日の構成銘柄の動きを見ると、その多くは引けにかけて出来高が急増していることがわかります。もっとも株価への影響は限定的となっています。今回のリバランスは新型コロナに期待されるアメリカの景気回復において金融や資本財セクターに対する投資家の関心が高まっていることを示唆するものだと考えています。
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