暗号資産急落 株に影響は?
2021年5月25日(火)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズ・アメリカ 大塚祐貴さん
暗号資産急落 株に影響は?
足元のデータでは暗号資産と株式の相関関係は薄れつつあることが示されています。過去90日間をベースとしたS&P500とビットコインの相関係数の推移は0.5近辺で高止まりしていた昨年に比べて、相関は低下傾向にあり、足もとでは0.2前後となっています。暗号資産の資産規模は膨らんできており、その影響力は増しています。しかし、暗号資産と株式は特性や投資主体が大きく異なるため、相関の高止まりは続きにくく、こうした低い相関関係が今後も続くとみています。
米国公認会計士協会が企業がビットコインなどの暗号資産を保有している場合、耐用年数を確定できない無形資産として分類することを推奨している点に注意が必要です。この分類ではビットコイン価格が上昇しても、売却するまでは評価益として計上することができないというルールとなっています。一方、ビットコインが下落し、取得した際の価格を下回った場合は、売却前でも損失を計上する必要があります。仮に6月末まで足元のビットコインの下落基調が続き、テスラやスクエアが保有するビットコイン価格が取得原価を下回った場合、4-6月期決算で減損損失、評価損を計上する可能性があります。全体の業績に比べれば、損失計上は軽微かもしれませんが、特にテスラの業績に対する注目度は高く、市場への影響も無視できないことが懸念材料と言えそうです。
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