テーパリング言及はいつ?
2021年5月7日(金)Newsモーニングサテライト
ホリコ・キャピタル・マネジマント 堀古英司さん
テーパリング言及はいつ?
ここ数カ月は雇用者数の大幅な増加が続いていますけれども、そもそも今回、新型コロナウイルスによって桁違いの雇用が失われたことを忘れてはいけません。08年の金融危機時に最悪の時に870万人の雇用が失われました。しかし、新型コロナウイルスは一時2.5倍に当たる2200万人もの雇用が失われており、先月時点でもようやくそれが840万人に戻したところです。まだ金融危機時の最悪の状態に戻っただけというのを忘れてはなりません。しかも金融危機時を参考にすれば、ここからの雇用回復は徐々に緩やかになっていくことになります。
金融危機時は失われた雇用が残り250万人になったところで、当時のバーナンキFRB議長がテーパリングに言及し、実際にテーパリングが始まったのは残り100万人になったところでした。仮に今後、毎月100万人ずつ雇用回復するという強気の仮定を当てはめたとしても、今年中にテーパリングに言及するというのが精一杯だと思います。
量的緩和を見込んで債券を先回りして買っている債券投資家には影響するかもしれませんが、2013年5月、バーナンキ議長がテーパリングの言及した後、株式相場は少し調整しただけで、結局、年末にかけて上昇しています。2013年の経験もあり、市場には十分テーパリングに関する警戒感が織り込まれているとみられることから、株式市場に与える影響はほとんどないとみています。
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