アメリカ 労働市場に見通し
2021年6月30日(水)Newsモーニングサテライト
マキシム・グループ 久野誠太郎さん
アメリカ 労働市場に見通し
6月雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想で前月比70万人増と5月の55万9000人増、4月の27万8000人増からペースが上向くと見込まれています。しかし、新型コロナ前と比べて、失業者数は依然として高止まりしていることが指摘されています。一時的な失業者と恒久的な失業者の推移を見ると、経済活動の再開により一時的な失業者は大きく減少したものの、恒久的な失業者は高止まりしており、今後の減少ペースが注目されます。先週にはFOMCでの発言力があるとされるニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は雇用市場はFRBが望む力強さからは程遠いとしており、目先の利上げの根拠はないとの見方を示しています。
平均時給は5月の2.0%増から6月には3.6%増へ上昇することが予想されています。今のところはインフレは一過性とのパウエル議長の見通しを市場が納得した動きとなって、長期金利は落ち着いていますが、依然としてインフレ上昇への懸念は根強く、インフレ関連の経済指標の上振れには注意が必要です。6月に入って、多くの州で失業保険の上乗せ給付を打ち切る動きが出ており、求職者の動きが活発化しているとの報告も聞かれます。7月分の雇用者数は大幅に増加するとの予想もされており、6月分のみならず、この夏の労働市場の回復の状況次第では利上げ予想がさらに前倒しされるといった可能性もありそうです。
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