アメリカ アップル 個人情報保護強化へ
2021年6月9日(水)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 川尻賢弥さん
アメリカ アップル 個人情報保護強化へ
アップルは近年、毎年のように年次開発者会議で新たな機能を発表しています。今回は秋に一般公開されるiPhone向けのOS、基本ソフトの詳細が明らかになりました。注目されるのはアプリのプライバシー保護機能を強化する戦略です。例えば、メールを開封したことを送信者の伝えないように設定できるほか、アップルのウェブブラウザー、サファリでは個人の特定に繋がるIPアドレスを隠す機能も追加されました。利用者はプライバシー保護に敏感になっており、高い競争力を維持するために必要不可欠な動きとみられます。また、アップル製品同士でしか使えなかったビデオ通話アプリ、フェイスタイムがグーグルのアンドロイドなど他社のOSを搭載する端末とも繋げるようになりました。コロナ禍で業績を伸ばしたビデオ会議システムのズームに対抗する動きです。
前日のアップルの株価はほぼ横ばいで、本日は0.7%上昇しました。株価の動きは小さかったと言えます。今回の一連の発表はアップル製品の利用者の満足度を高める内容が中心で、アップルの業績を即時に押し上げるものとは受け止められなかったようです。ただ、アップルはハードウェアからソフトウェア、アプリの開発やOSまで一貫して自社で手掛けているため、複数の製品やサービスを通じて、新しいニーズへの順応性が高いのが強みです。今回の発表も長期的には新たな利用者の獲得につながるといえ、株価にポジティブと考えています。
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