アメリカ 大手銀 健全性審査の影響は？

2021年6月25日(金)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

ホリコ・キャピタル・マネジマント　堀古英司さん

アメリカ　大手銀　健全性審査の影響は？
ＦＲＢは金融危機の経験から2011年以降、金融システムに大きな影響を与える大手金融機関に対してストレステストを実施していて、ここ数年は今の時期、6月下旬に結果が発表されています。先ほどＦＲＢから大手23行すべてが厳しいストレスがかかるシナリオでも資本が不足しない、ストレステストをパスしたとい結果が発表されました。これにより新型コロナウイルス感染拡大後、大手23行に課されていた自社株買いと配当の制限措置が解除されます。これら金融機関は来週28日に株主還元策を発表するとみられています。
金融機関の株価はコロナの拡大後は金利の低下、不良債権の増加懸念、株主還元策の延期といったトリプルパンチを受けましたが、経済の回復とともに大きく反発しています。今回のストレステストの結果やそれを受けての株主還元策は一時的に好感されるかもしれません。しかし、ストレステストの後に株主還元策が実施されることはかなり前から織り込み済みであること。また、長期金利の上昇も目先一服したとみられることから、ここからの金融株に高いパフォーマンスは望めないと考えています。