顧客の違いで決算に明暗
2021年7月29日(木)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
顧客の違いで決算に明暗
個人を主な顧客とするアップルやビザの決算からは個人消費の減速が感じられました。ビザはEコマース関連が高成長を持続しつつ、経済活動の再開で実店舗での決済が回復するという構図が続いてきましたが、7月は回復ペースがやや失速気味です。新型コロナの感染状況が悪化したアジアでの利用が減速したことなどが重石となっています。また、アップルは7-9月期に売上の成長が鈍化するとの見通しを示しました。コロナを取り巻く不透明感やサプライチェーンの混乱が理由とみられます。ビザとアップルはコロナの感染拡大後にいずれも具体的な業績見通しを開示していません。個人消費は巣ごもりからリベンジ消費へと形を変えながらここまで経済回復を牽引してきましたが、回復にややばらつきが出始めています。
企業をメインの顧客とするのがアルファベットとマイクロソフトで、中でもスキの少ない決算を示したのがアルファベットだと思います。旅行やエンターテイメントなどで広告の出稿が増え、広告事業の売り上げが増加しました。マイクロソフトの決算もクラウド事業を中心に全般に手堅い内容で、事業が外部環境に左右されにくいことを示しました。アルファベットはオンライン広告市場、マイクロソフトは企業向けソフトウェアで絶対的なシェアを持ち、顧客である企業にとって代替手段がほとんどない状態です。また、企業は競合他社に勝ち、企業を存続させるためにこうした支出をゼロにすることはあり得ません。このような点で個人を顧客とするビザやアップルの決算とは明暗が分かれる形になったと思います。
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