アメリカ企業 ワクチン接種義務加速か

2021年8月26日（木)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

ＳＭＢＣ日興セキュリティーズ・アメリカ　土屋亮さん

アメリカ企業　ワクチン接種義務加速か
医療問題を研究するアメリカの非営利団体、カイザーファミリー財団が6月に発表した調査によると、これまでの緊急使用許可ではなく、ワクチンが正式承認されることで、ワクチン未接種のアメリカ在住の成人のうち3割が接種する可能性を示しています。また、正式承認により、企業などでワクチン接種義務化の動きが進むとみられ、接種率の上昇につながるとの期待があります。
中でも注目したいのはシェブロンやヘスコーポレーションなど大手エネルギー企業が相次いで接種を義務化したことです。海上での石油採掘などに携わる従業員は数週間にわたり沖合の限られた空間で仕事を行うため、新型コロナのクラスターが発生しやすいとみられています。足元ではすでにメキシコ湾や生産の重要区域で新型コロナの感染が増え、操業に影響を及ぼしているとされています。現時点では原油価格を変動させるほどの状態に至っていませんが、こうした状況が続けば、今後の原油生産量の減少が懸念されます。ワクチン接種義務化による感染抑制の効果が現れ、こうした供給面の不安材料が取り除かれれば、原油やガソリン価格安定化の支援材料の一つとなり、企業や消費者マインドにポジティブな影響を与えると期待されます。