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アメリカ 企業コスト上昇も売り上げ堅調

2021年9月9日(木)Newsモーニングサテライト

米国みずほ証券 兼松渉さん

アメリカ 企業コスト上昇も売り上げ堅調
新型コロナウイルスの問題と緩和的な金融政策を背景とするインフレが今後、様々なコストを押し上げ、アメリカ企業の業績の重石となることが懸念されています。具体的には原材料のコスト増、サプライチェーンの問題、半導体不足、輸送コストの増加、そして人件費の高騰などが挙げられます。実際のところS&P500指数を構成する企業のコスト増加率は8月の時点で前年同月比8.4%増と2012年以来の高水準にあります。こういったコスト増が今後、アメリカ企業の利益率を圧迫するという話なのですが、それを売上高の増加率と併せて考えてみると、ちょっと違った景色が見えてきます。売上高の増加率からコストの増加率を引いた値は8月のは2.5%と前の年から大きく伸びているんですね。つまりコストが増加している以上に売り上げが順調に伸びていることがわかります。
これは各企業が値上げなどにより消費者のコスト増を転嫁することで、利益率が確保できる環境にあることを示唆しています。最近ではマイクロソフトが業務ソフトをまとめたマイクロソフト365の値上げを発表したほか、食品ではキャンベルの缶スープ、クリスピークリームドーナツからディズニーの動画配信サービスまで幅広い分野の企業が値上げを発表しています。足元のインフレはパウエルFRB議長が言うように本当に一時的なものなのか、これは確かに意見が分かれるところです。しかし、アフターコロナに向けて売上高が急回復しているだけに、目先のコスト増が企業業績に与える影響は限定的と考えています。

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