供給網の混乱 株への影響は？

2021年9月10日(金)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

マキシム・グループ　久野誠太郎さん

供給網の混乱　業績を直撃
今週に入って塗料メーカーのＰＰＧインダストリーズやシャーウィンウィリアムズ、そして住宅建設のパルトグループが当初の見通しに反してサプライチェーンの混乱に改善が見られなかったとして相次いで業績見通しを下方修正しています。この3社は下方修正の要因として半導体などの特定部品の不足で自動車メーカーなどの顧客がさらに生産を削減したことや物流の遅れにより必要とする建築資材が不足したことで住宅建設のペースに影響したこと、そして、先日、ハリケーンがアメリカ南部を中心に多くの被害をもたらした影響なども指摘しています。

供給網の混乱　株への影響は？
ファクトセットがまとめた７-９月期のＳ＆Ｐ500構成企業の利益成長予想は前の年から28.1％増、売上高成長予想は14.8％増と6月末時点から引き上げられ、好調な企業業績が予想されています。しかし、足もとでのサプライチェーンの混乱は短期間では改善されないことが業績面に反映されてくることで先行きの株価の波乱材料ともなりかねません。前日の地区連銀経済報告でも記載されていましたが、経済の成長ペースが減速しているという事実を示す証拠とも言え、今後も企業による業績見通しの下方修正がテクノロジーなど幅広いセクターにも広がるのかどうか見極めることが重要となってきそうです。ただし、需要については力強く、引き続き堅調で、在庫は低い水準にあるとしており、供給面での改善さえ見込めれば、相場を下支えすることになりそうです。