半導体で注目の素材とは?
2021年9月16日(木)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 川尻賢弥さん
半導体で注目の素材とは?
現在、半導体の基板材料の大半に使われているシリコンに代わる半導体材料としてSiC、シリコンカーバイドと呼ばれる素材が注目されています。この素材自体、新しいものではありませんが、電気自動車大手のテスラが主力EVであるモデル3の一部でSiCを基盤に使った新しい半導体を採用し、手が届く価格で高性能なEVを作ったことをきっかけに注目が高まっています。従来のシリコンを基盤材料とする半導体と比べ、SiCはエネルギー効率に優れ、1回の充電で走れる距離の工場を支えています。また、以前に比べてコストが下がってきていることから、テスラ以外の大手完成車メーカーもSiC半導体を積極的に採用する姿勢を見せています。
半導体大手のオンセミコンダクターは先月、SiCを生産するGTアドバンストテクノロジーズの買収を発表しました。また、スイスのSTマイクロエレクトロニクスはSiCで大型のウェハーを使った製品の製造を開始、従来と比べて1年前のウェハーから倍近いチップを製造できるようになりました。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズも大型ウェハーを処理する装置を発表するなど、各社は注力していて、SiC市場拡大に対する期待の高さが読み取れます。SiCの市場規模はまだ大きくありませんが、EVは伸びている中国市場やバイデン政権主導でEV普及に様々な施策を打つ北米市場などが中心となり、ここからマーケットの拡大が期待できそうです。
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