コロナ飲み薬 期待高まる
2021年10月5日(火)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
コロナ飲み薬 期待高まる
メルクはエボラ出血熱を開発したことでも知られるバイオ医薬品ベンチャーのリッジバックバイオセラピューティクスと共同で、新型コロナ用の飲み薬、モルヌピラビルを開発しています。メルクがモルヌピラビルの臨床試験の結果、患者が入院したり、死亡するリスクがほぼ半減したと発表したことを受けて、メルクの株価は1日に8%以上、4日は2%ほど上昇しました。メルクはがん免疫薬のキートルーダに売り上げの多くを依存していますが、この薬は特許の失効が迫っており、多くの投資家の不安材料となっていました。それだけに今回の結果はメルクの業績見通しを考えるうえで強気材料となっています。
FDA、アメリカ食品医薬品局の元長官であるスコットゴットリーブ氏はこの薬がコロナとの戦いを大きく変えるゲームチェンジャーになりうると述べています。米国みずほ証券でバイオ、医薬品を専門とするアナリストはデルタ株など複数の変異株に対しても有効性を示したとする点にも注目しています。また、この薬が承認されれば、医療保険セクターの押し上げることが予想されます。現在、アメリカでコロナ患者が入院した場合、一人平均2万ドルの治療費がかかると推定されますが、アメリカ政府とメルクの契約ではモルヌピラビルを使った治療費は750ドルまで低下すると見込まれ、費用の大幅な削減につながると可能性がるためです。もちろんそのほか、ホテルや航空、クルーズ船などの旅行業界にとっても好材料ですし、また、年末商戦のホリデーシーズン前に消費者心理が大きく改善すれば、小売りなど幅広いセクターの追い風となることが見込まれます。
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