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多様化するキャッシュレス決済

2021年10月13日(水)Newsモーニングサテライト

東海東京証券アメリカ 阿部司さん

多様化するキャッシュレス決済
アメリカのクレジットカード大手4社の世界の取扱額は2019年には19兆7000億ドルと2005年のおよそ4倍にまで拡大しました。2020年は拡大がストップしましたが、足もとではコロナの長期化により現金のやり取りを伴わない決済のニーズが高まっているほか、ネット通販の利用も加速しています。店舗側でも人手不足などにより決済業務の効率化を図っています。このような背景からクレジットカードやデビットカードなどキャッシュレス決済の利用はさらに拡大すると見ています。キャッシュレス決済はサービスも多様化しており、その一つが厳しい与信審査なしで分割払いができるBNPL、Buy Now Pay Laterと呼ばれるものです。オンライン決済大手のスクエアやペイパルなどがこの決済を手掛ける企業を買収すると発表したほか、クレジットカード大手、マスターカードも先月、BNPLへの参入を表明しました。そのほか暗号資産による決済サービスを手掛ける企業も増えています。
アメリカの決済大手の株価は堅調で、S&P500を上回るパフォーマンスを見せています。特にペイパルは株式取引サービスの提供を検討していると報じられたほか、スクエアは企業向けに預金口座を提供するサービスを始めるなど成長への期待から株価の上昇も大きくなっています。クレジットカード大手に比べ、事業全体に占める新規事業の割合が大きく、それだけ成長余地も大きいと評価されているようです。キャッシュレス決済企業の株価は今後、当局による規制強化の懸念などで多少調整も入る可能性もあります。しかし、顧客の利便性の向上や企業における決済業務の効率化の動きは不可逆的だと考えられるため、決済セクターは長期的には成長が期待できそうです。

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