決算本格化 株価への影響は?
2021年10月15日(金)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 荻原裕司さん
決算本格化 株価への影響は?
今回の決算ではサプライチェーンの混乱などの影響を受けやすい製造業を中心に予想を下回る実績や見通しを示す企業が出てくると思います。ただ、市場はすでにこうした問題で業績が悪化することを織り込んでいると思います。S&P500のエネルギー、金融、一般消費財、資本財セクターの4月からの上昇率を見るとエネルギーと金融は原油価格の上昇や金利の上昇が好感され、10%を超えて上昇した一方、一般消費財や資本財はサプライチェーンの問題を受けて、増益率予想が切り下がり、S&P500指数を下回るパフォーマンスとなっています。つまり今回の決算に対する期待値は低いと考えます。実際、自動車部品大手のアプティブは11日、半導体不足を理由に21年度の業績見通しを下方修正し、株価は3%下落しました。しかし、業績への期待がもともと低かったこともあり、翌日以降は堅調に推移し、下落分を取り戻しています。
まず原油についてですが、OPECプラスが来年には供給が需要を上回るとの見通しを示しており、価格の高騰は落ち着くと考えています。中国では電力不足により工場の操業が制限される事態となっていて、アルミなども上昇しています。しかし、李克強首相は14日、製造業に対して確実に電力を供給すると表明しており、エネルギー以外の資源価格も今後、安定してくる可能性があります。半導体不足についても生産地である東南アジアでコロナの感染者が減少傾向にあり、最悪期を脱する兆しが出ています。今後、状況が改善する見通しも出てきているため、今回、悪い決算を示し、株価が下がったとしても、競争力のある企業であれば、下落は長くは続かないと見ています。
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