景気と企業業績に着目
2021年10月8日(金)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
景気と企業業績に着目
アメリカの株式相場はサプライチェーンの混乱やインフレの高進、債務上限問題などが景気と企業業績に悪影響を及ぼすとの懸念が高まり、軟調に推移しています。しかし、裏を返すとこれらの不安材料が渦巻く中でも現実の企業業績が堅調だと判明すれば、株価は本格的な反発に向かうと推測されます。まず景気に関して目先、最も注目されるのは8日に発表される雇用統計です。今回の雇用統計は二つのポイントがあります。一つ目は非農業部門雇用者数が悪すぎない数字で着地することです。そうなれば、テーパリングが11月に発表されることが事実上確定し、金融政策の不透明感が後退します。そして、二つ目は労働参加率が上昇することです。パンデミックで失職した労働者が労働市場に戻れば、人手不足と人件費上昇を将来的に抑制する効果が見えるため特に重要です。
企業業績を占う上でポイントとなるのが来週の金融機関の決算発表です。9月に主要な金融機関は業績見通しをアップデートしていますが、足元の状況をまとめると、投資銀行部門は好調、一方でトレーディング部門は不振、純金利収入はまだ回復途上ということが判明しています。率直に言うと、今回の決算内容はよくはないでしょう。しかし、株価は業績の絶対値ではなく、期待値との差に反応するものです。金融セクターの予想EPS、すなわち1株利益は足元で緩やかに下降線をたどっていて、期待値は低めです。全体として企業業績への警戒感が高まり過ぎているだけに、決算であく抜け感が広がる可能性は十分にあると考えています。
« そごう・西武、テナント柱に | トップページ | 英政権、移民規制で逆風 »
「Newsモーニングサテライト」カテゴリの記事
- アルコール飲料に新たな動き(2022.10.07)
- アメリカ小売決算の注目点は?(2022.10.06)
- アメリカ株価上昇の背景は?(2022.10.05)
- アメリカ中間選挙 市場の影響は(2022.10.04)
- アメリカ金融大手 決算見通し(2022.09.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント