利上げへ 市場の関心は
2021年10月28日(金)Newsモーニングサテライト
野村グループ 草田裕紀さん
長短金利差 縮小の影響は
5年債と10年債の利回りの差を示すイールドスプレッドは春にピークを付けた後、低下基調が続いています。インフレ懸念が台頭し、利上げ前倒し観測が高まったことで5年債利回りが10年債利回りよりも大きく上昇したことが背景です。こうした局面では金利が上がればハイテク株が下がるという構図に変化が生じます。大型ハイテク株で構成されるナスダック100指数をS&P500指数で割ったレシオを見ると、春先から10年債利回りが上昇基調を強め、3月末に1.7%後半まで上昇するまでにレシオは大きく低下しました。しかし、10年債利回りが9月下旬から再び上昇し、先週末に一時1.7%台に乗せた際にはレシオは春先ほど大きく低下しませんでした。インフレを抑えるために利上げをすれば、急激な経済成長も抑えられるため、景気敏感株よりもグロース株や上昇に勢いのあるモメンタム株の方が選好されやすくなります。インフレ懸念が払しょくされない間はこうした相場展開が続くと考えます。
利上げへ 市場の関心は
市場の関心は利上げ動向に移っており、グロース株の行方を占う上で注目です。そこで焦点となるのはテーパリングの開始時期のほか、買い入れ額の縮小ペースが途中で変更される可能性があるのか、そして、インフレに対するFRBの見方に修正があるかという点です。市場はFOMC参加者よりも早期の利上げをすでに織り込んでいるため、この織り込みがどう変化するかも注視しています。
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