企業分割 仕組みを解説
2021年11月16日(火)Newsモーニングサテライト
ホリコ・キャピタル・マネジマント 堀古英司さん
企業分割 仕組みを解説
結論から言いますと株価をテコ入れする目的です。一般に二つの企業が合併すると、合併後の時価総額は合併前の2社合計の時価総額を下回るケースが多くなります。逆に一つの企業を分割すると、分割後の各部門の時価総額の合計が分割前の時価総額を上回るケースがほとんどです。
簡単な例を示してみます。ある企業のA部門の1株利益が200円、B部門の1株利益が100円、C部門の1株損失が100円だったとします。合計するとこの企業の1株利益は200円になります。株価は1株利益とPER、株価収益倍率の掛け算ですので、この会社が仮にPER20倍で取引されていたとすると、その企業の株価は4000円となります。次にこの企業がA、B、Cの3社に分割して、それぞれ上場したとします。A部門とB部門はPER20倍で取引されると、それぞれ4000円と2000円という株価になります。赤字のC部門は株価にマイナスがないので、ほぼゼロで取引されたとしても、3社の合計は6000円になります。分割前よりも分割後の株価は50%上昇したことになります。
今年4月にIT大手のデルテクノロジーズが傘下のVMウェアを分離すると発表して、今月初めにこの分離が完了しました。分離発表後のデルの株価はおよそ20%以上上昇しています。企業分割には様々なパターンがあり、また、投資のタイミングによっても異なるため、必ずしも上昇するとは限りませんけれども、このような意味で投資家に貢献、好感されるケースが多くなります。
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