廃棄物処理はインフレに強い!?
2021年12月8日(水)Newsモーニングサテライト
東海東京証券アメリカ 阿部司さん
廃棄物処理はインフレに強い!?
様々な産業においてインフレの加速によりコストの上昇圧力をどう吸収していくのかが足元の大きな課題となっていますが、廃棄物関連企業はインフレ圧力がそれほど痛手とならないばかりか、場合によっては増収をもたらすビジネスモデルとなっており注目しています。
廃棄物処理では人件費がコストの中で最も大きい割合を占めています。
従業員の時給は上昇が続いていて、この10年で実に3割ほど上昇しています。
企業側はパンデミックの間にも従業員を確保し続けるために賃金の上昇ペースを加速させていて、2011年に19ドル台だった平均時給は足もとでは26ドル台まで上昇しています。
その一方で、サービスを提供する価格、つまり廃棄物処理の料金も上昇しています。
廃棄物処理企業の収益のうち、3~5割が自治体などとの契約によるものですが、その契約料金が物価と連動しているためです。
廃棄物処理大手のリパブリックサービシズやウエイストコネクションズは特に物価連動型の契約の比率が高く、料金の上昇により人件費などのコスト上昇を相殺していると考えます。
大手廃棄物処理企業にとって燃料費は売上高に占める比率でみると2~3%程度と小さく、影響は限定的といえます。
むしろ原油や金属などコモディティ価格の上昇はリサイクルの需要を高めるため、利益面では追い風です。
特に使用済みオイルの再精製などリサイクル事業から売上高の20%以上を得ているクリーンハーバーズは恩恵を受けそうです。
これら廃棄物処理関連企業の株価はS&P500をアウトパフォームしている状況が継続しており、インフレがこのまま高止まりしても好調が続くとの見方もあります。
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