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世界経済への悪影響 2シナリオ

2022年3月11日(金)Newsモーニングサテライト

大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん

世界経済への悪影響 2シナリオ
ウクライナ情勢の緊迫化が世界経済に悪影響を及ぼす経路は2つあり、ひとつはロシアと経済的なつながりの深いヨーロッパの金融システムがダメージを受けることです。
ヨーロッパの金融機関のクレジットデフォルトスワップはデフォルト、債務不履行のリスクを示すものですが、ようやく落ち着きの兆しが見えました。
BNPパリバなど金融機関が今週、ロシア向け貸出比率が低いと開示したことで、最悪のケースでのダメージは限定的という安心感が広がりました。
かつ11日まで開催されるEU首脳会談後にEUによる共同債券発行が発表されると報じられたことで、財政支援への期待が広がったことも効いています。
そういった時間稼ぎを行う間にウクライナ問題が解決し、金融不安が一層交代することがふさわしいシナリオと言えます。
資源価格急騰に伴うインフレ高進が懸念されます。
これについてはアメリカとイギリスによるロシア産原油輸入禁止を受けて、原油の増産に向けた国際協調の動きが出始めたことをポジティブに感じています。
報道によるとイラクが増産の意欲があると発言しましたし、G7が臨時会合で産油国に増産を要請しました。
また、アメリカはベネズエラに接近し、原油の禁輸措置緩和を模索していますし、ヨーロッパはイラン核合意の再開を急いでいます。
ロシアの西側諸国向けの原油輸出量は日量445万バレル程度と推定されますが、その半分超は増産と禁輸解除で賄える計算になります。
これを織り込む形で原油高が一服すれば、インフレ高進懸念が抑えられると期待しています。

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