ヘルスケアセクターの今後は?
2022年4月6日(水)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 荻原裕司さん
正常化進むヘルスケア業界
先週、アメリカの保健福祉省のメディケアメディケイドサービスセンターは2022年のアメリカの医療費が1年前から4.6%増加するとの見通しを示しました。
内訳をみると、連邦政府の支出が2020年に新型コロナ対応で大幅に増加していましたが、今年は1年前と比べて、マイナスに転じる見込みです。
一方で、家計や民間企業による支出が拡大する見通しとなっています。
また、アメリカの病院を対象に行った調査によると、2月の外来患者数は2019年の同じ時期を下回っていましたが、4-6月期には2019年の水準を超えるとの見通しが示されました。
ヘルスケア業界における正常化はまさにこれからと言え、株式市場でも今後、ヘルスケア企業への注目が高まりそうです。
ヘルスケアセクターの今後は?
コロナ感染拡大前の2019年から現在までの間、ヘルスケアセクターはS&P500を下回る動きとなっています。
また、2019年末から2021年末にかけてヘルスケアセクターの1株利益はS&P500を上回る成長となりましたが、PER、株価収益率はS&P500を下回る状況が続いています。
バイデン政権は薬価の引き下げを公約に掲げていますが、その公約が実現すると、ヘルスケア業界の収益悪化につながってしまうため、ヘルスケアセクターのPERを引き下げていると考えています。
ただ、足元でバイデン大統領の支持率は低迷しています。
今年11月の中間選挙で、民主党が議席を失い、ねじれ議会になれば、製薬会社の支援を受ける共和党がより強い立場になります。
そうなれば、薬価を引き下げることは難しくなり、ヘルスケアセクターのディスカウント要因は小さくなると考えています。
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