アメリカ消費 所得格差が影響
2022年7月22日(金)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 𠮷田拡司さん
アメリカ消費 所得格差が影響
小売売上高の結果を見る限り、インフレの影響が大きいとはいえ、米国の個人消費は依然として底堅く推移しています。
ただ、調査会社モーニングコンサルトによるとアメリカでは所得水準によって消費意欲に大きな違いが出ているようです。
高くて購入をあきらめた人から高くても購入した人を差し引いて算出された価格感応度を所得別に見ると、5万ドル以上の世帯では高くても購入する人の割合が多い一方、5万ドル未満の世帯は高くて購入をあきらめた人の割合が多いことが示されています。
高インフレによって賃金の低い世帯の消費意欲は大きく衰退したと言えそうです。
調査機関ピューリサーチセンターによると、アメリカでは成人のおよそ3割が低所得者層に分類されていますが、全米の総所得に占める割合はわずか8%です。
一方、成人のおよそ2割の高所得者層が総所得の5割を占める状況で、年々この格差が広がっています。
また、国勢調査局が6月に実施した調査ではおよそ1370万世帯が家賃、もしくは住宅ローンの支払いが遅れていると回答しており、低所得者層を中心に生活が困窮していると見ています。
中高所得者層は現状、強い労働市場や過去の貯蓄などに支えられています。
しかし、積極的な利上げが進む中で、高インフレが長期化すれば、今、消費を支えている中高所得者層にも影響を与え、徐々に消費が失速することになりそうです。
« 要注意のアメリカ企業決算は | トップページ | アメリカ ガソリン価格の見通しは »
「Newsモーニングサテライト」カテゴリの記事
- アルコール飲料に新たな動き(2022.10.07)
- アメリカ小売決算の注目点は?(2022.10.06)
- アメリカ株価上昇の背景は?(2022.10.05)
- アメリカ中間選挙 市場の影響は(2022.10.04)
- アメリカ金融大手 決算見通し(2022.09.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント