アメリカ ガソリン価格の見通しは
2022年7月26日(火)Newsモーニングサテライト
日本生命NY投資現地法人 石田大輔さん
アメリカ ガソリン価格の見通しは
全米レギュラーガソリン平均価格は6月中旬に1ガロン当たり5ドルを突破しましたが、足元4.3ドル台まで下落しています。
原材料である原油価格が下落していることに加えて、ガソリン価格の高止まりを受けて、予想以上に夏のドライブ需要が抑制されているためです。
例年、アメリカのガソリン在庫量は夏のドライブシーズンには減少する傾向にありますが、今年は6月半ばを底として、足元、数週間は増加傾向となっています。
過去の経験則に基づくと、秋以降はガソリン価格が低下傾向です。
しかし、アメリカにおけるガソリンのサプライチェーンには過度なストレスがかかっていると考えており、供給制約から下げ渋る可能性も捨て切れません。
コロナ禍で需要が大幅に減少したことやESGの流れを受けて、老朽化したガソリンの製油所が閉鎖され、新規の投資も進んでいません。
その結果、全米の原油処理能力は2020年4月のピークから1日当たりおよそ100万バレル程度縮小しています。
製油能力に限りがある中、アメリカの製油所の稼働率はおよそ94%と通常よりも高い状態が続いており、メンテナンスが先送りされている結果、設備故障などの不測の事態が起こる可能性が高まっています。
また、アメリカ大洋大気庁によると今年のハリケーンリスクは例年以上に高く、メキシコ湾岸の製油所における操業停止リスクもあるとみられています。
ガソリン価格は消費へのインパクトが大きく、金融政策を決めるうえでFRBが重視する期待インフレとも相関が高まっています。
このためガソリン価格が下げ渋ると、タカ派な金融政策が続く可能性もあると注目しています。
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