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アメリカ 株の景気後退織り込みは

2022年7月12日(火)Newsモーニングサテライト

第一生命(DLI NORTH AMERICA) 宿谷俊樹さん

アメリカ 株の景気後退織り込みは
直近1カ月ではISM景気指数など景況感が悪化し、スポーツ用品大手のナイキなど一部の企業が投資家の期待を下回る業績予想を発表しています。
こうした中、クレジット市場においてはハイイールド債のクレジットスプレッドは景気後退懸念が強まった2018年後半と同水準まで拡大しており、一定程度景気後退を織り込んでいるとみられます。
一方で株式市場ではS&P500の予想PER、株価収益率は足元で約16倍まで低下し、株価も年初からおよそ20%程度下落していますが、景気後退の織り込みはまだ十分でないと考えています。
S&P500のリスクプレミアムは予想PERの逆数である予想益回りから10年債利回りを引いて計算され、債券と比較して株価の割高感を分析するものですが、数字が小さいほど株式が割高なことを示唆しています。
現在、S&P500のリスクプレミアムは3%程度で、2017年以降の平均的な水準ですが、過去景気後退が懸念された2015年や2018年にはリスクプレミアムは4.5%程度まで高まっていることから、現在の株価は景気後退を織り込んでいないと言えます。
今後7月下旬から第2四半期の決算発表が本格化しますが、インフレや消費者マインド悪化の影響を受けて決算は投資家の期待を下回る可能性が高く、決算発表をきっかけに株価は短期的に下落する可能性が高いと考えています。

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