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企業の欧米市場見通しに違い

2022年8月10日(水)Newsモーニングサテライト

岡三証券NY 荻原裕司さん

企業の欧米市場見通しに違い
世界的に景気後退懸念が強い中でアメリカを含む北米市場については堅調な見方の企業が多い一方、ヨーロッパ市場については悲観的な見方の企業が増えている印象です。
例えば北米売上比率の高いGMやフォードは需要や受注について強い状況にあると言及しているほか、アメリカ鉄鋼大手のニューコアは第3四半期の需要は底堅い見通しとしています。
予想よりも楽観的な見方が目立った印象です。
一方、ドイツのBMWは生産台数見通しを引き下げ、下期の見通しについて慎重な見方を示しました。
また、アメリカの自動車部品大手のアプティブもヨーロッパの年間自動車生産台数の見通しをこれまでの10%増から5%減へと下方修正しています。
要因の一つは企業を取り巻くエネルギー環境の違いだと考えています。
ヨーロッパでは天然ガス価格が高止まりし、ドイツやフランスでは電力先物価格が過去最高に達しています。
また、EUは天然ガスの消費を8月から15%削減する案で合意しており、今後、ヨーロッパで展開する企業でも設備稼働率を抑えるなど具体的な動きが広がる可能性があります。
一方、アメリカではガソリン価格が高値からおよそ2割下落したように、エネルギー価格はひとまず落ち着いた可能性があります。
積極的な金融引き締めの影響は予測しづらいですが、年後半はアメリカ国内の売上比率が高い企業が相対的に良い業績になると考えています。

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