カテゴリー「爆笑問題のニッポンの教養」の19件の記事

もともと嗅覚というのは、原始的な感覚なので、まずは食べもの、もう一つは危険回避、その二つがもともとは基本的だったんじゃないでしょうかね

2009年12月8日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

何か、においます?

東京工業大学 准教授 中本高道さん

もともと嗅覚というのは、原始的な感覚なので、まずは食べもの、食べ物にありつけるかどうか、あるいは、もう一つは、危険回避、危ないものによるな、その二つがもともとは基本的だったんじゃないでしょうかね。

嗅覚というのは同じ場所にずっといると、やっぱり感じなくなってくる。順応と言うんですけど。変化のほうが分かるんですね。かなりにおいが強いところにいても、ずっといるとわからない。基本的には、変化した瞬間に何か起きるぞというのを知らせているんじゃないでしょうかね。

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そういう人は早く死ねとか、そういう社会ではなくて、そういう人もみんなの輪で支えていく

2009年12月1日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

よりよく死ぬために

死生学 東京大学 教授 清水哲郎さん

理想の死、返ってこういうことをやっていると、どんな死に方もありじゃないかというふうに思っちゃうわけですよね。おおいに社会的な支援というか、介護保険でも何でも使って、大いに使って、みんなに面倒を見てもらって、みんなに迷惑というか、世話になって、それで最期を送るというのも、これもいいかなって。この社会のためにはいいような気がしているんだよ。この社会はそういうようなお年寄りとか、そういうような人のことも、みんなで面倒をみる社会ですよと。そういう人は早く死ねとか、そういう社会ではなくて、そういう人もみんなの輪で支えていく。みんながそうなれば、そういうことをするのが当たり前の社会になってきますよね。今、人さまのお世話になって生きるのは嫌だとか、そういう意識持っている人も結構多いですから、そういう死に方、死に方というよりも、生き終わり方、それもいいかなと思って。

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体の幸せということを感じるためには、体の時間に合わせた生き方をやっぱりある程度しなければいけない

2009年11月24日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

海の中のナイスバディ

生物学 本川達雄さん

ナマコの時間エネルギー量を測ってみた。全然エネルギーを使わない。僕らの1時間分が、彼らの二日分なんですよ。二日分を僕らは1時間でやってしまうわけだから、やっぱり価値観が違うんではないかという気がするんですね。それだけではなくて、僕らの今の社会そのものもそうだと思うんですね。今、ものすごくエネルギー使っているんですよ。どれだけ使っているかというと、僕らの体が使っている食べる量、それの40倍使っているんです、一人ね。これだけエネルギー使って、何やっているかというと、車だとか、携帯だとか、コンピュータ、これ全部時間を早めるものばっかりでしょ。僕らは絶対時間は同じだと考えているけど、実は、現代人というのは、エネルギーを使って、時間を早めている、操作している。でも、僕らの体の心臓の拍動なんていうのは、縄文人と変わってないわけです。そんなに早くなった社会の時間に、僕らの体がついていけるはずがないんじゃないか。体の幸せということを感じるためには、体の時間に合わせた生き方をやっぱりある程度しなければいけない。

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ドストエフスキー文学の中の最大のテーマというのは、黙過というテーマだと思っているんですね

2009年11月17日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

ドストエフスキーより愛をこめて

ロシア文学 東京外国語大学学長 亀山郁夫さん

断ち切られることの孤独とか、恐怖を経験している段階なら、まだ、救いがあるんです。しかし、母親の記憶もない、母親の愛情の記憶もない、としたら、その人間はどこに行くことになりますか。僕は、それが今、本当に確実に増えていると思うんですよ。そして、ドストエフスキー文学の中の最大のテーマというのは、黙過というテーマだと思っているんですね。黙過というのは黙って見過ごすこと。誰がどこで何が行われようと、例えば、そこでいじめがあろうと、誰かがそこで殺されようとしようが、どんなにかわいそうな人がいようが、黙って見過ごしてしまう。それを黙って見過ごすならば、いいけれども、他人の死を願望するとか、そこまで踏み込んだ黙過ってあると思うんですよ。
それぐらい傲慢に構えている人間がそこに存在するんですよ。そういう人間が、やっぱりこの日本の中で、一人、また一人と増えていっている気がして仕方がないんですね。

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あの時も全く同じパターンですよ。マスコミが騒ぎたてて、非常にいい政策、ワクチン政策を駄目にしたんです

2009年11月3日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

新型インフルエンザの真実

東京大学医科学研究所 教授 ウイルス学 河岡義裕さん

基本的には、インフルエンザで、熱が出て、異常行動というのは、そういうのはあるわけですよね。たまたまタミフルを飲んだときに、そういう例もあったということで、一応調査も行われているんですけど、結論がまだ出てないと。ただ、大事な点というのは、タミフルを飲んだせいで、そういうふうになったというのが出てくると、調査しないといけないじゃないですか。その間、どういう状況かというと、10代にはタミフルは投与しないということになっていますよね、一応。一方、投与すれば助かった方、重症化しなかった方もいっぱいいるわけですよ。そこは全然評価されていない。それは割と大きな問題。

大事なことがあって、ワクチンというのは、副作用とか、副反応のないワクチンって、ないんですよ。かなり重度のワクチンによる副作用というのも報告されていて、たとえば、100万人に一人とか、というのがあるわけですよね。今回、国内産のワクチンが2700万人打つわけですよね。そうすると、単純計算で、絶対重度の副作用というのはあるわけですよ。そこを受けるほうの人たちはちゃんとしっかり認識していないといけないし、マスメディアの人たちもちゃんと認識していて、ただ出たからと言って、騒ぎ立てると、ワクチン対策そのものが成り立たなくなるわけですね。

日本の場合には、インフルエンザワクチンを学童の集団接種でご存知ですか。子どものときに、みんなワクチンしていたんですね。あれの効果に疑問を出した人がいて、それをマスコミがワーと騒ぎ立てて、最終的にどうなったかというと、学童の集団接種って、なくなったわけです。一時全然ワクチンが打てない。そのあと、特養ホームでのインフルエンザの集団死が問題となって、高齢者でのワクチンが復活したわけですね。結局、そのあとの調査でどういうことが分かってきたかというと、学童の集団接種をすることによって、世の中にいるインフルエンザの数を減らしていたんですよ。そうすることによって、お年寄りにかかる割合、確率を減らしていた。それが今ようやくわかってきたわけですよ。あの時も全く同じパターンですよ。マスコミが騒ぎたてて、非常にいい政策、ワクチン政策を駄目にしたんです。

水際作戦にしても、あれをやることによて、ある程度時間は稼げたし、関西で流行があったときに、学級閉鎖とか、休校とかあったじゃないですか。あれに対する反論とかもいっぱいあったんですけれども、あれのおかげで、流行がバンと下がったんですよ。あれがなかったら、医療現場、破たんしていたかもしれない。そこで、医療現場が整うことができたわけですよね。準備ができた。それはすごく大きいんですよ。世界中でものすごく評価されているんですよ。ほかの国は何もせずに野放しで、ウイルスがどんどん広がっていくんですよ。関西は、ウイルスの流行がピークになったところで、かなり大きな地域で休校し、さらに集会の中止をやって、患者一挙に減っているんですよ。世界的にはすごく評価されているんです。日本人の几帳面さがあるから、成立するんですよ。

鳥インフルエンザ怖いですよ。問題は、豚由来のインフルエンザが流行したことで、インフルエンザの現場の人たちは、そちらに集中せざるを得ないんですよ。手薄になっているんですよ。それは非常に怖いんです。人から人にはいっていないんですけど、人には感染しているんですね。今、対策というのは、豚由来のインフルエンザにシフトしているんです。そこでちょっと気をつけないといけない。

すべてのものを駆逐してしまうような病原体って、たぶんないんですよ。感染症って、100%ではないので、どういう状況でも。何か残るんですよ。我々が知らないウイルスって、いっぱいいるんですよね、我々人間が触れていないだけで。これからどんどん森林破壊とかで、人間が接すれば、今まで知らなかったような病気が出てきますよね。
本来ならば、人間が接しなかったような動物とかに接することによって、人が感染する。もうひとつは、交通網だと思うんですよ。本来は風土病で終わっていたものが、社会が開かれているので、いろんなところに広がっていくと。

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太平洋戦争では、だます論理ではなく、だまされた後の悩み方みたいのを共感しちゃっている

2009年10月27日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

戦争はつくられる

東京大学 教授 日本近代史 加藤陽子さん

私は、日清、日露、満州事変、日中戦争までは戦争の形というのかな、日本なりの特徴は言えるんですね。すごく賢い学生が、この本読んだときに、先生、突然転調しているって。日清、日露、第一次、満州事変、日中戦争まで淡々と書いているのに、太平洋戦争では、だます論理ではなく、だまされた後の悩み方みたいのを共感しちゃっているということを言われちゃって、まだ学者として距離感というのがないなって。

私がずっとやってきたのは、戦争は意外なところからやってくると、寺田寅彦のもじりじゃないけど、経済から来るよ、そうじゃなくて、お菓子か、パンかみたいなところで、イメージできてしまうというのがあるんです。今後は単純なところではないはずですね。環境とか、何で日本が25%の削減しているのにとか、いうようなことですね。あとは、もっとグローバルになって、本当にすべての国が守らなければいけないような食糧増産のノルマをどう、誰かが落ちたかとかいうようなことで、何らかの反応が起こってしまうというようなことがありうると思いますね。

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典型を作ること自体が、個を逆に生かしていることだというふうに私は思っています

2009年10月20日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

カブキズム 

比較演劇学 河竹登志夫さん

歌舞伎の今の演技というのは、そういう生き生きとしたというかね、行儀の悪いお客によって作られたと思うんですよ。舞台のほうでは、その反応を見ながら、少しでも良くしよう、そういう交流でできたんだと思うんです。そういう意味では、全くの大衆的なエンターテイメントだったんですね。
歌舞伎ぐらい、何でも取り入れちゃう、そういうどん欲な胃袋だと思うんですよ。

型に入って、型に出るとか、いろんな言葉がありますよね。歌舞伎の場合も、何にもないところから型を作って、その型を体から体へ継承する。継承するって、ただそのままじゃいけないんで、その中から、自分の個性的なものを加えて、型を膨らませていくということの連続なんですよね。

歌舞伎作者の場合、黙阿弥がそうでした。教えがありまして、三親切という言葉があるんですよ。役者に親切、見物に親切、座元に親切、これは同じことですけど、作者に親切ということは一言も書いてない。実は、その三つを生かすことが、自分の宿命であり、役目なんだと。それができるのは、自分が生きることだということだと思うんですよ。ですから、型も個を殺しているというのは、一つの自分の典型を作ることだと思うんですよ。これは私の解釈ですよ。典型を作ること自体が、個を逆に生かしていることだというふうに私は思っています。

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今、治らない病気がいっぱい残っちゃったのは、そういう新しい取り組みがないと、治らないような時代が来ているんだ

2009年10月19日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

あなたの細胞生き返ります

細胞シート光学 東京女子医大 先端生命医科学研究所 所長 岡野光夫さん

僕としてはパーツから作っていくと。将来は心臓とか、肝臓とか、そういうのができると思うんですよ。ただ、脳をやるかどうかですよね。いつかそういう時代は来ると思っています。我々の近い思考力を持った脳を作るというのは、それはそんな短い未来ではなくて、だけど、そんな何千年も先というのではなくて、次の百年ぐらいの間に、そういうことはだんだんできる。
こういうのをやっていく中で、生命って何なのかとか、人間って何なのかとか、そういうことも一緒に発展していかないといけないんですよ。日本は新しいことにすごく慎重なんですよね。アクセルとブレーキのバランスって、すごく重要だと思うんですよね。適度なアクセルも踏んでいかないと、治る人も治らない。そういうところを開拓するところが、僕は重要だと思っていまして。

長い目で見たゴールを設定できるかどうかっというのがあると思うんですよ。ちょっと自分外れて、新しいことを始めてても、5年後、10年後に何か達成するためには、そういうことは必要かどうかって考える。アメリカでは、役に立つようなことをきっちりとやるというような、医学部と工学部の間のバイオエンジニアリングというところがあるんですけど、長いゴールを見たときに、アメリカ人はそういうのをちゃんと設定して、先手先手で、新しい人間を作って、新しい分野を作ろうとするわけですよ。

たくさんの患者を治すためには、道具立てを、テクノロジーをいっぱい入れていくことが、僕は重要だと思っているんですよ。20世紀というのは、それをあまりやらないで、やれることで治療してきたんです。今、治らない病気がいっぱい残っちゃったのは、そういう新しい取り組みがないと、治らないような時代が来ているんだなと思い始めているんですけど。止まっちゃだめですよ。止まっちゃったら、結局、不幸な人をいっぱい作っちゃうわけ。

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デカルトは僕と非常に似た問題とか、似た感覚とか、似た何かをとらえていたと思います。一瞬ですけどね、デカルトの場合ね

2009年10月6日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

私 探し

哲学 日本大学 教授 永井均さん

森羅万象、全部幻で、自分の記憶とか、自分の体がなくても、それでも自分というものだけは、私ということだけは疑えないというふうにデカルトは考えたわけですけど、そのことと、僕が考えたように、私という、変な、例外的というか、特殊なものがあるのかということを考えたのかということは、結局、究極的には同じ問題だったと思います。でもデカルトだって、そこの答えはないですね。そこが出発点になって、そこから神の存在証明をしているような外界とかしているけど、そこになぜ起点が置かれるか、ということに関しての説明はデカルトだってないですね。
デカルトは僕と非常に似た問題とか、似た感覚とか、似た何かをとらえていたと思います。一瞬ですけどね、デカルトの場合ね。つまり、その私とは何にかと言ったときに、同じ思考実験みたいなのをしたらば、どんな人でも同じ結論に達するというふうに彼はすぐそのあと言うので、僕はそれはちょっと違うんではないかと。他の人には当てはまらない自分だけ、私だけっていう問題こそが、この問題だと思うので、一瞬だけ捕まえたけれど、すぐに違う方向に。これでも、一瞬捕まえても、必ずずれるということが。

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日本というのは、世界の動きとは全く独自で、簡素の美というのに到達しているんです

2009年9月28日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

シンプル最高/再考

グラフィックデザイナー 武蔵野美術大学 教授 原研哉さん
室町中期ぐらいの日本というのは、結構豪華絢爛な文化だったんですよ。中国の影響やローマの影響やインドも。だけど、それがそうでなかった事件が起きたんですね。それは何かというと応仁の乱という。応仁の乱というのは、今でこそあまりそう言われませんけれど、とても大きな戦争で、明治維新とか、第二次大戦の敗戦に匹敵するぐらいのとても大きな出来事だったんです。
当時の将軍の足利義政というのは、とても美意識の高い人で、政治力はなかったんですけれども、美意識の高い人で、がっかりしちゃったんですね、焼けて。がっかりしちゃったんで、跡目を息子に譲って、自分は京都の東山に隠遁しちゃうんですね。そこで今の銀閣寺、慈照寺というところに入って、そこで茶の湯とか、書とか、そういうものに端的していって、過ごしていくんですけれども、その周りにふわっと新しい文化が生まれてくるんですね。その中に、簡素の美というのがあるんですね。
義政の書斎です。同仁斎と言われているもので、和室と呼ばれている原型がすべてここにあります。そういうところから、日本の美意識は全く新しく生まれ直してくる。そこで生まれたのが、簡素の美なんですね。ですから、ヨーロッパ発のシンプルというは、世界全体に伝播していく近代社会と一緒に生まれてくるシンプルなんですけど、日本というのは、世界の動きとは全く独自で、簡素の美というのに到達しているんです。ここがとても面白い。

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