君たちが今、使ってる日本語は、漱石先生や子規さんのつくった日本語だよね。彼らは、友達なんだよ
2009年11月15日放送 NHK総合 未来をつくる君たちへ 司馬遼太郎作品からのメッセージ
誰かが君の言葉を待っている 関川夏央が語る正岡子規
司馬先生という人がいるんだよ。司馬遼太郎という小説家が。この人は、歴史小説を書く人だったんだよ。司馬さんが言っていることは、歴史が好きなのは、歴史上に登場した日本人の中で、ちゃんとやっている人が面白くて、好きだから。今でも、ここに、子規先生が寝ておられるような気がする。そこに訪ねてきた漱石先生が、俺、来月から英国留学するんだよ、というふうに言いそうな気がする。それが、歴史を我が物に、とうに死んだ人を自分の友達だと思うような感覚だと言っている。そういう感覚がないと、君たち自身が、たった一人で生きているような気がしてはならないと言っている。そんなことはあり得ない。君たちが今、使ってる日本語は、漱石先生や子規さんのつくった日本語だよね。彼らは、友達なんだよ。大先輩だよ。すごい尊敬すべきだけれども、友達なんだよ。そして、もしここに、子規さんがいたら、子規さん、食べすぎはよくないですよ、みんなが言ってあげたくなるような、存在だと。
最近のコメント